GEPEC便り 9月号 -no 6-

9月は超大型台風や地震が全国で猛威を振るった1か月でしたが、皆様ご無事でしたでしょうか?今回は、最近見つけた「Fatigue Studyという書籍らの抜粋」と「GEPECの基準条件と4段階の合否評価」をご紹介いたします。    GEPEC 事務局 三明

*「無駄と疲労」(Fatigue study; Chapter 1, page 3 よりの抜粋)

最近、ランセンターの片隅に放置されていたファイルの中に、手書きのメモやマーカーの印がついている、色褪せた数枚の紙を見つけました。それはFatigue Studyと題する本(絶版)の数ページでした。なぜDBが関心を払ったのか知りたいと読み進めてみて、著者は労働者の作業環境や労働中の疲労について言及しているものの、労働者=歯科医師、労働環境=診療環境と置き換えると、そのまま歯科医療にあてはまることに気づきました。「pdとは何か」を伝えるのは難しいと思われますが、平たく表現すると、ムリ、ムラ、ムダを省いて、術者にとって最もラクな(疲労しない)状態で、正確な治療結果を一貫して達成するための方法(アプローチ)と言えるのではないでしょうか?以下の抜粋では、ムダ(waste)と疲労(fatigue)がキーワードとして使われています。(以下、抜粋)

動作の研究(motion study)において、「世界中に、不必要な、方向を誤った、非効果的な動作から生じる無駄に匹敵するほどの大きな無駄はない」と述べられているが、本章では、無駄な動作について考察する。無駄な動作とは、無駄な労力と無駄な時間を意味しており、このような無駄が生み出す結果の一つに、不必要な疲労がある。不必要な労力を費やした時間が、結果として無駄になってしまうのである。

時間というのは人間の一生において、第一の授かりものであり、それを少しでも無駄にするということは、自分の大事な資産を失うことでもある。時間を無駄すると同時に、不必要な疲労に苦しむことになる。この事は、累積疲労における大いなる不必要な無駄の土台に横たわっているものである。

疲労した作業者の問題というのは、彼らの作業が最も疲労を起こさないような配置になっておらず、また作業時間中の短い休憩時間で休息し、疲労回復できるようにもなっていないという事である。頭部が高い位置で、両肩が丸く後方に下がっている作業者たちは、十分な休息を得ていない。頭部をかがめている作業者は、おそらく必要なだけの回復時間を得られていない可能性がある。

必要な休息を十分に取った作業者たちの方が、そうでない者より生産性が低いということもあるかもしれない。そういう場合の対策は、休憩時間の短縮ではなく、作業方法の改善である。無駄のために作業が完遂しない事も、間違った方法で仕事を完遂する事も、重大な経済的な無駄を生む。

関心の対象が個人、グループ、あるいは国家の経済繁栄のいずれであるにせよ。不必要な疲労における無駄は、経済的な無駄であるばかりではなく、人生の無駄であり、即時に注意を払うべきである。

疲労の研究とは

我々の疲労の研究は、ヒトのエネルギーの不必要な無駄を排除するものであり、ヒトの器官にどういう影響を及ぼすかという視点から、活動の問題を注意深く考察するものである。その目的は;

1)様々な種類の作業から生じる疲労を正確に特定(測定)すること、

2)不必要な全ての疲労を排除すること、

3)必要な(不可避な)疲労は最低限に抑えること、

4)疲労克服のための様々な方法を提供すること、

5)同研究から得られる所見を、作業者自身がそれを用いて人生を有意義に過ごすことができるような形にまとめること

原文:FATIGUE STUDY

*GEPEC Websiteからの抜粋(http://www.gepec.net

Reference conditions and ratings 基準条件と4段階の合否評価

GEPECは、以下の基準条件に照らし合わせて、術者のスキルや診療所の環境要素(機能物)を、4段階で合否判定・評価しているが、その焦点となるのは、指、前腕、及びインスツルメント-身体組織間のコンタクトの視線のコントロールである。

頭部と上体(胴体)のバランスが取れている場合に、指や四肢の他の部分は最適な体のコントロールと条件のために最も広範囲のポジションを取ることが可能になる。(この条件は、同時に術者の身体的健康にも即したものとなる。)

診療所の各活動エリア内の全ての物は、当該エリアの指の動作の原点(X,Y,Z3軸の0ポイント)を基準にして、そのポジションを設定する。

1  インスツルメントと身体組織のコンタクト・ポイント(注:作業点に相当)の詳細は、標準明視距離230mm – 250mm (Z 垂直距離 190-200mm)で注視する。この注視点は、裸眼の場合は、-50 mm から+100mm の範囲内にあれば認容される(胸骨中央、心臓または腋下の高さに近い)。

2  第3指の接触は、できるだけインスツルメントと身体組織のコンタクト・ポイントに近づけて手の安定性を図ると、第1指、第2指、第3指でインスツルメントをコントロールするために、適切な方向に力をかけやすくなる。動作中にインスツルメントと身体組織のコンタクト・ポイントを一貫して注視できる。

3 インスツルメントの交換やリグリップ、術者と患者のポジション変更などのために、インスツルメントと身体組織のコンタクト・ポイントから、指先と視線をそらす必要性が最小限である。

4 体に要するスペースと身体上のポイントの動線は、人体計測の平均値から演繹する。身体やその一部が平均範囲から極端に離れている術者は、自分で順応するように努める。

5 基準となる身体の接触は、術者の指、手、足、骨盤部に限られる。衣服やメガネは、指のコントロールや作業点の注視に影響を及ぼさないこと。

6 立位の術者がまっすぐの姿勢で座位を取る患者に対応する、簡潔な処置専用のステーション(注:クイック・チェックエリアの事)をクリニックに1か所以上は設けること。

7 画像テクノロジーを含む院内情報システムは、XYZ、時間、健康志向データに基づく数字用語に基づいている。数字用語は診療記録(患者カルテ)を参照したり、データ入力したりする際に、指や視線が患者から逸れるのを最小限に抑えるものである。

GEPEC4段階の合否の評価
0 優、基準(Reference)
1 良(Acceptable)
2 可、だが改良が必要(Needs improvement)
3 不可(Not acceptable)

原文:GEPEC 4 point ratings