pd普及の会の皆様、
前略。春が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?今月は2月9日~12日タイのチェンマイで開催されたGEPEC会議のご報告をさせて頂きます。
主催:ICOH(Inter-country Center for Oral Health)
日時:2018年2月10日~12日
場所:チェンマイHoliday Inn およびICOH、参加者:20名
会議中に発表されたPPTスライドは以下にアクセスするとダウンロードできます。http://icoh.anamai.moph.go.th/main.php?filename=PD2018
日本からは石田先生(GEPEC理事)とセティシャイ先生が参加され、Ms鈴木、Ms川口と三明も参加しました。
GEPEC meeting 180210-12写真と概要
プログラムGEPEC meeting program final
今回の会議の主な目的は、以下の3つでした;
1) 今後GEPEC認定のコース内容を標準化していくための第一歩として、世界の各地域で行われているpdコースのカリキュラムを共有し、検討すること。
-日本のセティシャイ先生、ドイツのDrネーデルマイヤー、フランスのDrラフォンとDrブラン、インドのDrベレ、韓国のDrキムが各々コース内容を紹介されました。時間の制約もあり標準化に向けての作業は宿題となりました。
またDr John(ICOH現所長)とDr Sunsanee(前所長)はICOHの活動を、Dr Siriwanはタマサト大学歯学部でのpd教育の現状について発表されました。
2) 日本以外の地域でもpd診療台を入手できるようにするための対策、戦略を検討すること。
-世界中でpd診療台(背板が倒れないテーブル式診療台)のメーカーがモリタ1社に限られていることが最大のネックになっています。企業の販売戦略によって入手可能性が左右され、日本以外では、pdコースを開催するにも、背板が倒れるチェアしか使えない、ユーザーが買いたくても供給されない、あるいは法外な価格でないと手に入らない地域がほとんどなのです。1社専売の状況を打破するための試みとして、フランスでテーブル式診療台の開発が進んでいます。会議の3日目、この工場と会場をSkype繋いで、試作品が紹介されました。但し各部の仕様についてはGEPECが検討・認定をする段階にはないので、参加者の先生方には「まだまだ道は遠い」という印象を持たれたようです。
外国の参加者の方々の「生の声」を聞いて、pd診療を実践したい、普及したいのに、必要な環境(F3)が手に入らないというもどかしさと熱意が伝わってきました。
生前Drビーチはpd診療台を1社専売ではなくする、2社目、3社目を掘り起こすために私財を投じて、中国やインドでの開発プロジェクトを行っていましたが、残念ながら目標を達することができぬまま世を去りました。これはGEPECが引き継いだ最大の使命だと理解しています。
3) ソーシャル・メディアを最大限に活用した、GEPECの認知度をあげるための戦略を検討すること。
-GEPECの理事は世界に散らばっていて、残念ながら情報発信については遅れを取ってきました。今後はFacebookやTwitter、Instagramも含めたソーシャル・メディアを活用して情報発信を充実させるという宿題を各自で確認しました。またGEPEC協力組織であるICOHのスタッフにはITのスペシャリストもいるので、今後は協力・支援をしてくださることになりました。
今回の会議は、Drビーチの追悼会議という意味合いもあったので、会議冒頭の自己紹介のセッションで、20名の参加者の方々からDr Beachとどのような経緯で出会ったのか、それによって自分の人生がいかに変わったかなど個人的なお話しを拝聴することができ、感無量の思いがいたしました。今回のGEPEC会議では多くの宿題(action items)が各地域の先生方に課せられました。日本の皆様は色々な意味で恵まれた環境にいらっしゃると痛感しました。あらためてGEPECに対するご理解、ご支援をお願いいたします。
ランセンター 三明