ネットワーク医療のシナリオ

私はテレビを観ているうちに、胃が痛くなってきた。リモコンに手を伸ばしキーを押して、テレビ画面をインタラクティブ・モードに切り替えた。画面には数字を付けたグラフィクスと文字が出ている。私は3(ヘルスケア)を押した。各パーツ毎に数字が付けられた人体の正面、背面、側面が表示された。リモコンで、正面像を表す1と腹部を表す3を押すと、腹部の拡大像が表われた。それは9セクションに分けられていて、数字が付いている。私は主に腹部の上左部に痛みを感じていたので、その部位を表す2を押した。次に、数字を付したグラフィクスとテキストのリストが表われた。

その一つは、不快感・痛みの強さの尺度、もう一つは痛みの持続時間やタイミング、もう一つは体位や指による圧迫で痛みが変化するかどうかを示しており、自覚できる範囲で詳しく入力した。手中におさまるリモコンで数字を押すのは便利で素早くできるし、音声認識機能が搭載されているものなら、音声で数字を入力する事も可能だった。自分で入力した内容に関連して考えうる、様々な健康問題が画面に出てきて、私は自分の病歴について少し心配になってきた。そこで個人カードとパスワード(または声紋など)をリモコンのスロットに通して、プライバシー・モードに入った。コンピュータはカード/データバンクに保存されている私の病歴に今回の新たな入力を追加した。TV画面には、あらかじめ告知希望と設定しておいた範囲内で、様々な健康問題の可能性やその確率が表示されている。私は、最悪の場合には、世界中で行われている治療法と、特定のクリニック・病院や医師が最も多く行っている精密検査や治療法について知りたいと思う。また自分が抱える疾患の解決に注力している研究医療施設のリストが欲しい。

私は検査を受けるために病院に行くことにした。その病院には、どういう設備があって、医療従事者がどのようにして臨床スキルを取得し、認定されているかという事も知りたいと思う。ネットワークが管理する自分の病歴と情報を送信すべき担当者を選び、当該情報のコピーをかかりつけ医に転送するという条件で登録した。自宅で選んだ病院に患者登録し、次に自分で入力した所見や過去の病歴などを私の通院前に検討することを承諾してくれる医師を選択する。こうすると、医師は私がどれだけの情報を持っているかを把握でき、初診時の問診や検査を効率的に行えるし、私自身も病院で費やす時間が最小限ですむ。受付担当職員が私に必要だと思われる平均的な時間(分数)を併記した診察予約の案を返信してきた。通院後には、自宅にてTVのインターラクティブ画面で、レントゲン所見、検査結果などの情報を確かめたい。グラフィクスや分かりやすい日常の言葉で表記された説明に加え、ヘルプ・ウィンドウには、専門用語での表記もあってよいだろう。さらに治療選択肢のリストと、私の担当医や他の専門医が勧める治療内容のリストも欲しい。各治療選択肢の理由とその根拠となる信頼性の高いデータも表示されれば、さらにありがたい。次には、私はかかりつけ医とこれらの情報を共有し、相談した上で、どうするべきかを決めるだろう。私の病歴については、少なくとも銀行口座と同等のプライバシー保護を希望する。このような医療情報サービス費は、契約している電話・マルティメディア会社の請求書に統合されるのが望ましい。

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数ある通信技術・マルチメディア企業の中で、どの会社がグローバル・ヘルスケアの実現に向けた開発を支援してくれるだろうか? 私たちは、グローバル・コミュニケーションを目指して、0-1をベースにした考え方(0のコンセプト)と2ケタ~10ケタの数字による分類とリンクさせた、pdに基づく簡潔さと容易さの原則を追及してきた。これらの数字に基づく分類は、グローバル言語や地域言語で用いられる医療専門用語の翻訳のハブとなりうる。このような医療ネットワークのハードウェアとソフトウェアは、第一に就寝・休息ステーションでくつろぐ人々、第二にワーク・ステーションにいる人々を想定して設計すべきである。私たちは、グローバルな視点に立つ、インフォマティック・ヘルスケア開発チームの一員となりたい。960410